
(後編からのつづき)
老舗和菓子屋の部長まで登りつめたFさんのご主人は、年収700万円まで一気に上がった反面、借り上げ社宅制度を利用できないといった意外な展開もあり収入面はそれほど変わりませんでした。ただ、教育費対策はしっかりとFさんがしていたために無事に子育てを乗り越えたようですね。いよいよクライマックス。Fさん夫婦はどんな老後を迎えるのでしょうか。
雇用延長で65歳まで働いた
子育てからの卒業をしたわが家ですが夫が頑張って65歳まで働いてくれました。会社からは後進に譲るということで最後は顧問という立ち位置だったようですが、22歳で就職した会社を最後まで勤め上げてくれました。老舗和菓子屋という業態もあり収入は一貫して低水準でしたが何よりも安定して給料を貰ってくれた夫には感謝の気持ちしかありません。
夫が定年時のわが家の家計内訳はこんな感じでした。
[収入]
夫(65歳) | 40万円(ボーナス手取り80万円) |
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妻(58歳) | 0万円 |
[支出]
住居費 | 80000円 |
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水道光熱費 | 20000円 |
食費 | 50000円 |
被服費 | 10000円 |
雑費 | 10000円 |
通信費 | 15000円 |
ガソリン代 | 10000円 |
保険代 | 10000円 |
夫小遣い | 40000円 |
妻小遣い | 10000円 |
合計 | 285000円 |
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[貯金]
毎月 | 11.5万円 |
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定年時の貯蓄額と定年退職金
夫が42歳の時に貯蓄額2300万円あったわが家の貯蓄額ですが、あれから23年。三人の教育資金や自動車の購入などもあり計画通りに貯金ができなかったときもありますが、この23年間で約2000万円の貯金ができたんです。なので、夫が定年したこのタイミングで4300万円の貯蓄があるんです。
しかも、定年退職した会社からは退職金の支給を受けて、その額1500万円。いろいろと調べるともっと多く貰ってもいいのかなって考えてしまいますが、勤続38年と一生を捧げた会社から慰労を受けた夫はその金額に満足だったようです。
なので、自力で貯めた4300万円と退職金の1500万円で5800万円になります。すごい金額ですよね。
近所の中古マンションを購入
仕事も子育てからも卒業した私たち夫婦ですが、これからの老後を考えて賃貸住宅に住むよりも購入したほうが安心できるんじゃないかってことでマイホームを購入することにしたんです。
ただ、夫も65歳、私も58歳ですから新築なんて購入しても人生の残りの期間と合致しないので中古物件を探すことにしたんです。私達の住まいは元々郊外だったので中古マンションで探すとそれほど高額ではないんですね。築20年の3LDK(70㎡)でも2000万円くらいなんです。やっぱり高齢になると段差に弱くなりますから、入り口から家の中までフラットなマンションが快適です。物件購入費用は現金一括、駐車場代と管理費・修繕積立金で毎月3万円を払う計算になります。
年金で年額180万円を受給
夫が65歳まで働けたおかげで退職後すぐに年金受給ができました。年金は年額180万円。月額では15万円ですね。その中からマンションの管理費・・修繕積立金で3万払っても12万円が残ります。現在が以下のような家計内訳ですから赤字家計にはならなさそうです。
[収入]
夫(65歳) | 15万円 |
---|---|
妻(58歳) | 0万円 |
[支出]
住居費 | 30000円 |
---|---|
水道光熱費 | 15000円 |
食費 | 30000円 |
被服費 | 10000円 |
雑費 | 5000円 |
通信費 | 10000円 |
ガソリン代 | 10000円 |
保険代 | 10000円 |
夫小遣い | 20000円 |
妻小遣い | 10000円 |
合計 | 150000円 |
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[貯金]
毎月 | 0万円 |
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死ぬまでお金に困らない
定年退職時に5800万円あった貯蓄はマンション購入で2000万円を消費して、残りの3800万円は貯蓄として保管しています。毎月の生活は今はトントンですが、あと7年したら私も年金を貰えるようになります。そうなったら、その分は丸々余裕資金になる計算です。
私も80歳まで生きたとしてあと22年。毎年100万円の赤字家計になったとしても貯金は底を尽きそうにありませんし、このマンションと貯金は三人の子供たちに遺してあげられるといいねって夫とも話しています。何よりも認知症や介護状態にならないように健康に気をつけてセカンドライフを楽しみたいと思います。私達がいなくなって財産分与で子供たちが喧嘩しないように家族みんなで相談しながら人生の終焉を迎えられるようにすることが、これからの私たち夫婦の仕事になりそうです。
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いかがでしたでしょうか。
最終的には700万円まで収入が上がりましたがFさん自身は専業主婦で旦那さんのシングルインカム世帯なのに子供三人を見事に育て上げました。そこには子供の教育費対策をしっかり考え早めに実行して一人500万円の教育資金を準備できたことが大きな勝因ではないでしょうか。また、Fさん夫婦が浪費家資質ではなかったということも重要ですね。日々の生活の中でお金ではない部分に価値を見出している人は本当に幸福度が高い人生が送れるのではないでしょうか。わが家でもお金ではない楽しみや幸せをより多く感じられる人生を贈りたいものです。


