
(前編からのつづき)
なんとか定年を迎えた五島さん。娘さんは無事に社会人としてたくましく育ったようです。定年後の五島家は無事に過ごせていけるのでしょうか。
結婚… 娘が嫁いでしまった
定年から3年。29歳になった娘がとうとう結婚することが決まった。結婚しないとそれはそれで親としてはとても心配だが、いざ結婚して嫁いでしまうとあまりにも寂しすぎる。妻なんて発狂に近い状態で「私も娘と一緒に嫁ごうかしら…」なんて意味不明なことを言い始めてしまった。これからは妻と二人で仲良く余生を過ごしていこう。早く孫の顔も見てみたいものだ…
両家の親同士で話しあった結果、結婚式費用として両家から200万円ずつあげることになった。予想以上に大きな金額だが、娘の晴れ舞台、200万円なんて痛くもない。幸せな家庭を気づいてくれることを願うばかりだ。
[家族構成]
夫 | 63歳(嘱託社員) |
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妻 | 63歳(専業主婦) |
マイカー | 13年落ち |
[収入]
夫 | 手取り20万円 |
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妻 | 手取り0万円 |
[支出]
家賃 | 15万円 |
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水道光熱費 | 2万円 |
食費・外食費 | 6万円 |
通信費・雑費 | 2万円 |
小遣い(夫) | 4万円 |
保険(生保) | 2万円 |
貯金 | ▲11万円 |
[貯蓄]
貯金 | 650万円 |
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年金受給が始まる
娘の結婚から2年。昨年には孫も生まれて本当に幸せだ。僕自身も65歳になって長年お世話になった会社を完全に退職した。転職で入社したけど本当に良い会社だった。あの会社のおかげで我が家は無事に生活することができている。本当に感謝したい…
そして、僕も妻も65歳になり年金を受け取れる。これからは娘夫婦と孫が来てくれるのを楽しみに、妻とはゆっくりした余生を過ごしていきたい。妻を旅行にも連れて行ってあげられなかったから、世界一周の船旅もいいなぁ。。。
ただ、貯金が退職時から1/3になってしまっていることが心配だ。僅か5年でこの減り方にはゾッとしてしまう。年金受給が始まって手取り額としては増えるから良かったけれど、夫婦で生きている間、貯金が持つだろうか…
僕の趣味であるゴルフも控えめにして、マイカーを手放すことにした。これで駐車場代が2万円が削減できるからね。
[家族構成]
夫 | 65歳(年金受給) |
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妻 | 65歳(年金受給) |
[収入]
年金 | 手取り23万円 |
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[支出]
家賃 | 13万円 |
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水道光熱費 | 2万円 |
食費・外食費 | 4万円 |
通信費・雑費 | 2万円 |
小遣い(夫婦) | 4万円 |
保険(生保) | 1万円 |
貯金 | ▲3万円 |
[貯蓄]
貯金 | 400万円 |
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高齢で引っ越すことがすごく嫌だ
あれから5年。僕も70歳になった。長年住んできた賃貸マンションが老朽化で建て替えするらしく、退去することになってしまった。我が家の家計も非常に厳しい状況だけれども、この歳でまったく知らない土地へ移るのには非常に抵抗があるから仕方がない。近所の物件を探そうと思うが、景気が回復しているようで家賃相場が上がってしまっている。今までよりも狭い物件にして家賃を抑えることにした。
あぁ、若いころにマイホームを手に入れていれば、この歳になって家探しすることも無かっただろうに…
しかし、貯金が残り僅かだ… 定年から10年でこんなことになるとは、これこそ老後破綻というものなのか…
[家族構成]
夫 | 70歳(年金受給) |
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妻 | 70歳(年金受給) |
[収入]
年金 | 手取り23万円 |
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[支出]
家賃 | 12万円 |
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水道光熱費 | 2万円 |
食費・外食費 | 4万円 |
通信費・雑費 | 2万円 |
小遣い(夫婦) | 4万円 |
保険(生保) | 1万円 |
貯金 | ▲2万円 |
[貯蓄]
貯金 | 220万円 |
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家賃が重くのしかかる
あの老後破綻の危機感を持ってから3年。未だに貯金が減り続けている。幸い現役時代に加入していた終身で夫婦それぞれに200万円の死亡保険があるから、どちらかが死んでも葬儀代に困ることはないだろう。しかし、徐々に貯金が減っていくこの恐怖はなんとかならないものだろうか。。。
なんとか収支だけは±0になるように最低限の生活を送れるように、以下の通り家計を見直した。
[家族構成]
夫 | 73歳(年金受給) |
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妻 | 73歳(年金受給) |
[収入]
年金 | 手取り23万円 |
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[支出]
家賃 | 12万円 |
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水道光熱費 | 2万円 |
食費・外食費 | 3万円 |
通信費・雑費 | 1万円 |
小遣い(夫婦) | 3万円 |
医療費 | 1万円 |
保険(生保) | 1万円 |
貯金 | 0万円 |
[貯蓄]
貯金 | 150万円 |
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我が家の老後家計を締め付けているものは間違いなく住居費。賃貸だからこそ、払っても払っても終わりがない。娘夫婦に一緒に住まわせて欲しいなんて言えるわけもなく、僕ら夫婦でなんとか乗り越えていかなければいけないことだ。最悪、ワンルームの小さなアパートにでも引っ越せば年金でなんとかなるだろうけど、足腰が弱っている現状ではエレベーターのない物件は避けたいところだ。老後になってからお金で困らないように、もっと早い頃から真剣に老後を考えておけばよかった。
老後になってこんなに住居費が負担になるとは微塵も考えていなかった…
いかがでしたか。
無理に住宅ローンを組んで苦しむ家庭もあれば、五島さんのように最後になって住居費に追いつめられることもあるようです。五島さんの失敗は「現役時代の貯蓄額が少ない」「定年後に生活レベルを下げれなかった」「住居費の負担が大きいことに気づくのが遅かった」の3点だと思います。
まずは定年までに3000万円の金融資産の形成すること。そして、収入や支出に変化があったときには即家計見直しを行うこと。僅かな気の緩みが後々の家計危機へと繋がります。収支のバランスを常にチェックし、少しでも懸念材料が出てきたときは徹底的に分析して解決していきましょう!


