
前回までに「家計管理の本質」「キャッシュフロー表」について理解を深めていただきました。『過剰な節約・貯金は必要がないということ』『将来に起こるイベントをしっかり把握して資金面での対策をしっかりと行うこと』『資産は一つのカゴに盛らないこと』これら3点のポイントをしっかり理解することで難しく考えていた家計管理がスッキリしてくるのではないでしょうか。そして、今回からはより細かい内容へ入っていこうかと思います。
家計管理は1ヶ月単位での管理の積み重ね
みなさんが“家計管理”と聞くとまず思い浮かべることはなんでしょうか?
恐らく日々の食費であったり、毎月のやりくりであったり、貯金の仕方であったりでしょうか。ボクが前回までにお伝えしてきた内容は期間として「現在~65歳まで」と長いスパンでのお話をしてきましたが、これは大きな目標を把握した上で目の前の目標に掘り下げていくことが重要と考えているからです。将来向かうべき目標をしっかりと把握した上で「では今、何をやらなければいけないのか」を理解することが重要であり、即行動に移せる力が生まれますからね。
65歳までの長い期間の目標を達成させるのは1年1年の努力であり、その1年の目標をクリアするのは毎月の努力であり、毎月の目標をクリアするのは毎日の努力があってこそなんですよね。これはもう仕事の感覚と一緒ですね。
家計管理は『支出』を把握することから
では早速、1ヶ月単位での家計管理を実践していきましょう。
最初にやることは『支出』を把握します。以下の項目の月予算を書き出してみましょう。
住居費 →
食費 →
外食費 →
雑費 →
水道光熱費 →
自動車費用 →
通信費 →
子供習い事 →
保育園料 →
保険代 →
小遣い(夫) →
小遣い(妻) →
上記以外で支出している項目があれば追加して毎月の支払いをすべて書き出しましょう。
そして次に『収入』をすべて書き出しましょう。
給料(夫) →
給料(妻) →
児童手当 →
といった感じですね。
簡単なことですが、これがあなたの現時点での家計内容です。今の時点で「収入≦支出」になっているとしたら、相当覚悟して家計改善を図る必要があります。また、毎月は赤字でもボーナスで補填しているといった家計についてもNGだと理解しましょう。基本的に月収で1ヶ月の支払いすべてをカバーできるようにしなければいけません。
家族構成別の家計の黄金比率と比較してみよう
そして、別記事『万能な家計の黄金比率ってあるんでしょうか…』で紹介した家計の黄金比率に先ほど書き出したあなたの家計を当てはめてみましょう。この記事で紹介している家計の比率はあくまでもひとつの例なので絶対に守る必要はありませんが、その中の「預貯金」の割合は守って欲しい項目です。家計の詳細については家庭毎に様々な事情があって一律のものなんて作れるはずがありません。しかし、貯金の割合というものは「今、このくらい貯金しないと将来厳しい」といった数字を示していますのでぜひ参考にしてください。
例えば、夫婦共働きで小学生の子供が一人という家庭の場合、預貯金の割合は「23%」です。1ヶ月の世帯手取りが40万円であれば「92000円」を貯金します。そして、残りの308000円をその他の項目に割り振ればいいでしょう。また、キャッシュフロー表へ書き出した基本生活費の年額を落とし込んだ時に将来の貯蓄額が目標額に達していない場合も支出の見直しが必要になります。
いかがですか。
月々の生活費が見えたらまずはその生活費の年額を家計の羅針盤である『キャッシュフロー表』へ落とし込んでみましょう。その生活費がベースとなり、将来の生活費の予測が可能となります。リアルな生活費を入力すると多くの家庭では、子供が大学へ入学するあたりから赤字家計となり65歳時の貯蓄額がマイナスだったりすることがあります。見た瞬間はゾッとするはずですが、その将来を今見えたことが何よりも重要なんです。あとは一つひとつ改善していくだけですからね。
※家計管理実践マニュアル
1.家計管理とは
2.絶対に必要な2つの表
3.金融資産管理表
4.基本生活費の管理
5.一時支出対策


