
前回までに家計管理の本質を理解して、キャッシュフロー表まで手に入れたあなたならこれから先はそのキャッシュフロー表を毎年、更新し見直しをかけていくことで年々家庭が所有する金融資産が膨らんでいくことでしょう。それだけ「キャッシュフロー表を作る」といったことは人生において大きな意味のあることなんだとボクは思います。
そして、今回は目標貯蓄額を追いかけた結果、予定通りに膨らんだ金融資産を管理する方法を伝授します。
金融資産表を作成しよう
前回紹介したキャッシュフロー表のサンプルには実はすでに組み込まれていますが、一番下段には家計決算した時点での金融資産を入力していきます。内容は下記のような感じです。
項目 | 1年後 | 2年後 | 3年後 | 4年後 | 5年後 | 6年後 | 7年後 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
現金(普通預金) | 80 | 68 | 84 | 104 | 128 | 156 | 158 |
(定期預金) | 100 | 200 | 200 | 200 | 200 | 300 | |
株式(国内株) | 100 | 100 | 150 | 200 | |||
(投資信託) | 50 | 50 | |||||
その他 (貯蓄型保険) | 100 | 100 | 100 | ||||
合計資産額 | 80 | 168 | 284 | 404 | 528 | 656 | 808 |
上図のように前回までに作成したキャッシュフロー表にこの“金融資産表”を追加しておきましょう。家計決算した時に毎年の貯蓄目標額をクリアできているかを確認するとともに所有している金融資産を種別ごとに管理することをオススメします。投資の格言で『卵は一つのカゴに盛るな』という言葉があります。要は、一所にまとめていると何かあった時にすべてがダメになってしまうということですが、この金融資産表で種別ごとに分けて管理することでそれを意識できるといった効果があります。
ちなみに、上図の金融資産詳細をご覧になっていかがですか?ボクとしてはとても現実に近い形の資産配分だと思います。わが家でもそうですが、徐々に所有額を大きくなっていくと色々な形で所有することになります。それらの割合を算出して偏りのないようにすることができるわけですね。
家計におけるポートフォリオ
みなさんはポートフォリオってご存知ですか?
いろいろな表現の仕方があって『資産構成』であったり『資産配分』であったり… 要は、総資産における金融商品の組み合わせとその割合のことをポートフォリオと言っています。
それを理解して先程の表を見てください。7年後の資産における各種別の割合は以下になります。
現金:458万円(56.7%)
株式:250万円(30.9%)
その他:100万円(12.4%)
このサンプルでは現金比率が半数以上であり保険も貯蓄型であるので元本割れリスクはほぼゼロ。元本が守られる資産が全体の7割近くであり非常に堅実なポートフォリオといえます。ただ、子供も小さく将来への備えが必要なためこれ以上にリスク資産への増資はなかなか難しいでしょうね。家庭環境からして適切な配分ではないかと思います。今後、総資産額が増え基礎体力が向上した際に新しい投資先を考えるのがベストですね。
…と言った感じで、ポートフォリオの診断もすることができるようになります。つまり、資産の全体像をも可視化することで冷静にポートフォリオまで分析が可能になるということです。
いかがですか。
今回は資産管理について書きました。個人的には資産額が500万円以上になるまでは純粋に現金資産で所有していれば良いのかなとも思いますが、資産額がそれ以上にもなるとこういった表がないと自分自身でも把握が難しくなってきます。あっちこっちへ預けていたり、新しく投資を始めたりと徐々に資産が分散していきますので、この『金融資産管理表』でしっかり管理することをオススメしますよ。
※家計管理実践マニュアル
1.家計管理とは
2.絶対に必要な2つの表
3.金融資産管理表
4.基本生活費の管理
5.一時支出対策


