
(前編からのつづき)
本業年収800万円、さらに副業収入400万円で世帯年収1200万円の持田家。赤字家計へと転落するには理由がありました。早速、振り返っていきます。
赤字転落は当然の流れ
もう一度、持田家の家族構成を書いておきますね。
夫 | 51歳 |
---|---|
妻 | 48歳 |
第一子 | 公立高校3年生(17歳) |
第二子 | 公立中学3年生(14歳) |
第三子 | 公立中学1年生(12歳) |
もうお分かりですか。。。 持田家は教育費の荒波がすでに押し寄せてきている家庭なんです。ましてや、第一子が大学受験を控えていることからそれ相応の対策が必要な時期なんですね。子供が3人もいるので、本業収入だけなら計画的に貯蓄をして事前に対策していないと乗り越えられない大波なんですね。そんな時に、副業収入という恵みの雨が降ったのにそれをしっかり浪費してしまっています。
そうなんです。持田家の失敗はあの自動車購入だったんですね。
第二子が私立高校へ入学したことは想定外であるものの、翌年には月額20万円も教育費が増加しています。郊外にマイホームを購入したことで将来、子供が一人暮らしするケースも考えられたわけですね。それを把握できていればあのタイミングでは自動車を買うことは避けていたことでしょう。
実は浪費家夫婦だったんです
そして、シングルインカムなので貯蓄をする余裕は元々少ないのに、実は持田夫妻は相当な浪費家だったんです。自動車を思い切って購入してしまう一面を見ても垣間見えてしまいますが、どうも以前から“家計管理”というものをしたことがないとのことでした。
ご自身が専業主婦を続けるのには働くことに抵抗があるも何も「そもそもお金を稼ぐのは男の仕事」という考えだったようです。子育てはするけどお金管理はご主人任せだったそうで、肝心のご主人も副業収入が大きくなったことで、将来お金に困ることは無いだろうと妄想してしまったようですね。
家計再建を懸けた金策
浪費家の持田さんですが、私に悩みを打ち明けてくれたのにはワケがありました。それは、我が家の家計の鬼への相談です。
ということで、これまでの話を夫に伝え、以下の提案をさせていただきました。
手取り月収 | 70万円(45万円+25万円) |
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住宅ローン | 16万円(5000万円、35年、固定1.8%) |
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自動車ローン | 10.5万円(800万円、7年、固定2.9%) |
学資保険 | 3万円(1.5万円×2) |
生活費 | 20万円 |
第一子仕送り | 10万円 |
第一子学費 | 8.5万円(年間100万円) |
第二子学費 | 8.5万円(年間100万円) |
第三子塾代 | 3万円 |
支出合計 | 79.5万円 |
夫は3点の改善が急務だということを強く言いました。
1.自動車ローンを無くす
2.生活費の見直し
3.奥さんの収入
家計を蘇生させる!
夫が提案した内容は以下でした。
1.自動車ローンを無くす
まずは、持田さんの欲求の為に購入した輸入自動車。購入してから1年も経っていませんが売却を提案。800万円で購入した自動車ですが、買い取りにだすと600万円。1年で200万円の浪費となってしまいますが、売却金に150万円ほどを貯蓄から足して自動車ローンを清算してもらいます。
2.生活費の見直し
自動車を手放したことで生活費の中にあった駐車場代15000円が削減。そして、夫婦お小遣いで8万円あったものを5万円まで減額。さらに、外食費を1万円削減です。
これにより生活費は20万円→145000円まで圧縮できます。
3.奥さんの収入
そして、最後は収入自体を増やすことを考えてもらいました。
現在はご主人のシングルインカムで毎月70万円を得ていますが、さらにそこに奥さんの働きで5万円程度の収入を加算すると大幅に家計が改善します。週3日5時間程度(時給800円)の勤務を目安に頑張ってもらうことを提案しました。また、ご主人の副業収入が減らないようにしてもらうことが前提としてありますが。。。
以上3点を改善するとこうなります。
夫 | 52歳 |
---|---|
妻 | 49歳 |
第一子 | 私立大学1年生(18歳) |
第二子 | 私立高校1年生(15歳) |
第三子 | 公立中学2年生(13歳) |
手取り月収 | 75万円(45万円+25万円+5万円) |
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住宅ローン | 16万円(5000万円、35年、固定1.8%) |
---|---|
学資保険 | 3万円(1.5万円×2) |
生活費 | 14.5万円 |
第一子仕送り | 10万円 |
第一子学費 | 8.5万円(年間100万円) |
第二子学費 | 8.5万円(年間100万円) |
第三子塾代 | 3万円 |
支出合計 | 63.5万円 |
毎月10万円以上貯蓄へ回すことが可能になりましたね。
第一子の教育費を負担しながらも10万円の貯蓄です。2年後には第二子が大学へ進学します。一人暮らしさえしなければこのままでなんとかなりそうですね。また、第三子が大学へ行く頃には第一子が独立しています。 老後資金の準備ができそうにありませんが、そこはご主人の能力で副業収入を伸ばしていただき持田さん自身も働けるだけ頑張ってもらいたいものですね。
いかがでしたでしょうか。
なんちゃって家計相談。収入があるのに貯蓄ができていない家庭には何かしら大きな浪費が隠れているものです。家計分析を行って浪費を一つひとつ見つけることができれば一気に改善できるのが、高収入世帯の特徴です。油断すること無く、有意義な人生になるように最低限の家計管理は重要です。ぜひあなたも浪費がないかチェックすることをオススメします!


